Q&A

   良くあるご質問に、お答え致します。

 

Q1. マッシュプーリー木材搬出システムは自由度が高く、色々な現場に適用できそうです。

  自由度が高い分、現場の状況に合わせ、種々の機材を組合せることになると思いますが、

  推奨される基本機材構成を教えてください。

A1.  設置が簡単で、購入費用も安く、搬出能力も充分な、マッシュキャップ仕様を推奨しています。

  搬器として中型搬器を用いれば、曲進もできます。

   基本機材としては、可逆駆動装置、末端滑車、チルホール、バネ秤、メインロープ、中型搬器、

  マッシュキャップ、基本マッシュプーリー、曲進用マッシュプーリー、各1台が挙げられます。

   その他は、基本機材の利用に慣れ、さらに高度な利用をしたい状況になってから、追加購入するの

  が良いと思います(機材リスト参照)。

 

Q2. 機材購入費用はどの位ですか。

A2. 上記の基本機材(と若干の補助機材・備品)で、搬送距離100mの場合、90万円程度(+消費税)

  です。高度な利用(搬出距離の延長を含む)のためには、20~30万円程度(+消費税)の必要機材を

  追加購入戴くことになります。

  注)機材購入費用は、林野庁あるいは各自治体の助成制度を活用すると、

    半額程度になります。この制度は、講習会などにも適用されます。

 

Q3. 購入手続きはどうすれば良いですか。

A3. 安全確保のため、教習会の受講を義務付けています。1泊2日の教習会を受講戴き、運転免許を

    1団体2名以上、取得戴かないと購入できません。受講料は2万円/人です。

   (教習は、原則、教習受講者の地元で行います。これにより、受講者以外のお手伝いで参加される

    方々も、マッシュプーリー木材搬出システムを実地で体験できます。

    尚、この場合、指導員の旅費・交通費、機材配送費の負担を戴きます。)

   その後、購入機材内容を検討戴き、見積書、基本契約書を交わし、納品、代金支払いとなります。

 

Q.4 マッシュプーリー木材搬出システムを使って搬出・集積した材を、小型トラック等で運び出すため

    の作業道を作る場合、作業道の間隔はどの程度が適当でしょうか。

A.4 マッシュプーリー木材搬出システムの実用最大搬出距離は、200mです。よって、作業道が400m

           間隔にあれば最寄りまで到達できることになりますが、曲進すること等を考慮すれば、作業道の間隔

          は200mが適切と判断されます。

    間隔200mは、森林環境を守る上でも適切と思われますし、散策路としても違和感のないものです。

   また、新たに作業道を作らず、200m毎に土場(木材の仮置き場)を設けるのも良い判断です。

          作業道を作る手間と費用を勘案すれば、納得されます。

 

Q.5 何か持論が有りましたら述べてください。

A.5 150万人居た林業従事者(きこり)が、昭和39年の木材輸入自由化に端を発し、現在では8万人程度

         に激減してしまいました。同時に、国産木材の流通システムも衰退しました。国土面積の1/4に

         当る森林(人工林)の環境整備、活用が必要な中で、木材輸入量が世界第1位である現状は、大きな

         疑問です。

  このような状況は国策に基本的な問題がありますが、森林を抱える地域の住民にも自治意識が乏し

  く、容易に改善されそうにありません。グローバルリズムの中で、経済性を重視すれば間違った選択

  ではないかも知れませんが、環境、防災上、大きな問題が発生しています。保水能力を失った森林

  が、洪水、斜面崩壊を誘発したり、流木が被害を拡大しています。

   また、人工林(主に、杉、桧、等の針葉樹)の大半は50年以上放置され、間伐されないため林内は

  真っ暗で、下草も生えません。このため、鹿や猪、熊、等が餌を求めて麓に出没する一因ともなって

  います。

 

  現在の日本のように、国土の1/4に当る面積が人工林で、そのほとんどを長年放置している状態は、

  人類史上、前例が有りません。

 

   森林環境整備は手遅れになりつつあると危惧されますが、最悪の事態は避けなければなりません。

  そのための第一歩は、住民の自治意識の回復です。自分たちの生命・財産を、自ら守ろうとする

  意志と行動です。

  行政には、市民活動、ボランティア団体、自伐林業家への支援が望まれます。 

  

 昨今、記録的な豪雨により、全国的に斜面崩壊が発生しており、路網(50m、30m間隔)を作って重機を傾斜地に入れることは困難になっていると思います。

 傾斜地では、作業道を極力作らず木材を搬出できる本システムが、有力な搬出手段になると考えます