第5回教習会(神奈川県横浜市)

 今回の教習会は、東京品川からほど近い横浜市青葉区で行われました。これまで、愛知県、

三重県、福岡県、等で行われたことを思い出すと、近くで開催できるのは、とても楽なことに

感じます。

 

 受講者は、川崎市内で造園業を営む会社(㈱横山造園)の方々でした。社長さんは気さくな方で、

社員の肉体的苦労を低減するため、各種作業機械の導入に熱心に取り組んでおられます。

 

 造園業の方がマッシュプーリーに興味を持って戴くのは初めてでしたので、どのような利用を

考えておられるのかと思いました。お聞きすると、林業に近い仕事内容として、緑地の整備が有る

そうです。川崎市の生田緑地を整備することも委託されており、緑地内には広大な森が広がり、

広葉樹の大木も多く見られます。近年は、温暖化の影響で、ナラやクヌギ等の大木が害虫に冒され

枯れる被害が増え、虫食い木の伐採、撤去に苦労されています。

 

 教習会の現場は、横山造園が所有する青葉区内の倉庫脇で行いました。林内と違い立木が少ない

ので、曲進用マッシュプーリーの設置には人工の支柱を設け、アンカー用ロープで支えました。

 末端はおたふく滑車を用いて迂回させ、ロープ式チルホールとでも呼ぶべき、マスダム・ロープ

牽引器(Maasdam  Rope  Puller)を初めて用いました。ロープ式なので、ワイヤーを使う

チルホールに比べて、扱いはとても楽でした。

 また、途中に設置した基本マッシュプーリーも、角材三脚に吊る必要が有りました。

 

 搬送距離は50mと短いものの、搬送した材の最大のものは幹径約50cm、長さ2mの広葉樹で、

造園業のイメージをすっかり変える難物でした。このような難物が、抵抗の大きな砂利面上を曲進

して運ばれたことは、本システムの有効性を示しています。

(曲進用マッシュプーリーの補強を若干行うことになりました。)

 

 座学は1日目の夜に4時間行いましたが、アッという間の4時間で、安全確保の要点を繰返し

説明するとともに、各機材の特性、特に曲進用マッシュプーリーの基本原理と使用方法を深く理解

戴きました。

 

 教習現場には、造園業らしく果樹も植えられており、合間に、ちょっと酸っぱい好みのみかんを

頂戴しながら、のどかに、2日間の教習会が終了しました。