今回の教習会は、東京品川からほど近い横浜市青葉区で行われました。これまで、愛知県、
三重県、福岡県、等で行われたことを思い出すと、近くで開催できるのは、とても楽なことに
感じます。
受講者は、川崎市内で造園業を営む会社(㈱横山造園)の方々でした。社長さんは気さくな方で、
社員の肉体的苦労を低減するため、各種作業機械の導入に熱心に取り組んでおられます。
造園業の方がマッシュプーリーに興味を持って戴くのは初めてでしたので、どのような利用を
考えておられるのかと思いました。お聞きすると、林業に近い仕事内容として、緑地の整備が有る
そうです。川崎市の生田緑地を整備することも委託されており、緑地内には広大な森が広がり、
広葉樹の大木も多く見られます。近年は、温暖化の影響で、ナラやクヌギ等の大木が害虫に冒され
枯れる被害が増え、虫食い木の伐採、撤去に苦労されています。
教習会の現場は、横山造園が所有する青葉区内の倉庫脇で行いました。林内と違い立木が少ない
ので、曲進用マッシュプーリーの設置には人工の支柱を設け、アンカー用ロープで支えました。
末端はおたふく滑車を用いて迂回させ、ロープ式チルホールとでも呼ぶべき、マスダム・ロープ
牽引器(Maasdam Rope Puller)を初めて用いました。ロープ式なので、ワイヤーを使う
チルホールに比べて、扱いはとても楽でした。
また、途中に設置した基本マッシュプーリーも、角材三脚に吊る必要が有りました。
搬送距離は50mと短いものの、搬送した材の最大のものは幹径約50cm、長さ2mの広葉樹で、
造園業のイメージをすっかり変える難物でした。このような難物が、抵抗の大きな砂利面上を曲進
して運ばれたことは、本システムの有効性を示しています。
(曲進用マッシュプーリーの補強を若干行うことになりました。)
座学は1日目の夜に4時間行いましたが、アッという間の4時間で、安全確保の要点を繰返し
説明するとともに、各機材の特性、特に曲進用マッシュプーリーの基本原理と使用方法を深く理解
戴きました。
教習現場には、造園業らしく果樹も植えられており、合間に、ちょっと酸っぱい好みのみかんを
頂戴しながら、のどかに、2日間の教習会が終了しました。