第3回教習会(福岡県北九州市、竹の搬出)

 福岡県北九州市小倉で、第3回教習会が行われました。新型コロナ禍の中ですが、コロナに対して、林業が最も安心とも言われており、感染対策を講じつつ、実施しました。ガラガラの高速道路とサービスエリアを2日掛りで抜け、指導員1名が東京から小倉に向いました。

 

 受講生は、一般社団法人 森人未来ノ研究所の方々5名です。まだ、組織化されて1年に満たないものの、過去3年間議論を重ね、竹藪の整備と竹の有効利用を目指す有志の面々で、関係者は10名を越えます。

 

 今回、新な地、九州での教習会であったため、事前に機材がセットされた通常の教習会とは異なり、現場の下見、機材配置計画、機材の設置が、全てぶっつけ本番。心配したものの、やってみると、受講生の理解も良いようでした。

 

 現場は、基本的には平らで、搬送距離100m、曲進1ヶ所(90度)の比較的平易なものの、段々畑であった竹藪内の搬送ライン上には、ふたつの段差(1~1.5m)があり、切り株が支障となったため、コンパネを段差の斜面に並べました。また、段差を全竹7本上げるには、角材三脚の補強が必要になったため、本数を減らし、3~5本の搬送にしました。

 

 一方、一番苦労したのは、曲進でした。上手く行かない原因は、竹の頭と搬器までの距離が長過ぎたためです。この距離が長いと、搬器を吊っているワイヤーが下を向かず、水平方向にかなり傾いてしまいます。竹用キャップを束ねるオープンスリングベルトを150cmから90cmのものに替えるとともに、距離が短くなるよう、オープンスリングベルトの使い方を工夫しました。

 

 また、上記の改善により、曲進に支障は生じなくなったものの、曲進滑車を支えるアンカーとメインロープが長く、材通過時に曲進滑車の高さが低くなり、搬器を吊っているワイヤーが水平方向に傾き易いので、今後、写真のような支え棒を付けることが有効と考えられます。この棒は、支えているだけで、地面に打込む必要は有りません。

 

 2日目夜の座学4時間と、3日目の受講生主体の設置・搬送・撤去と、無事、終了しましたが、トラブルが有ったことは、教習会としては、とても有意義でした。

 

 本団体との雑談の中で、住民の自治意識の回復が、最も大きな課題であると、互いに頷きました。本団体のメンバーはまだまだ若く、今後の活躍が期待されます。

 

 

 

曲進滑車を支える棒(金具で曲進滑車と連結されている)