竹の搬出における荷掛け作業の効率化

 竹は、木材に比べて軽いものの、同じ重量を搬出する場合には搬出本数が多くなります。

搬出本数が多い場合、荷掛け作業に手間取ると効率的な搬出ができません。

そこで、荷掛け作業の効率化を図りました。

 

 実証試験を行った現場は、1年前と同じ、千葉県長柄町の竹林です。

長引く雨の日が続く中、7月11日は、日中、雨も降らず、作業し易い天候でした。

 

 これまでの経験から、次のことが分かっていました。

 ① オープンスリングベルトを用いると、竹に一回巻くだけで、ベルトが竹にしっかり密着し

   ズレない。

 ② 複数の竹の頭を揃え、束ねて一つのキャップに固定するのは大変である。

 

 そこで、竹の一本づつに、小型のキャップを付けるとともに、幅の狭い、薄手の

オープンスリングベルト(幅2cm、長さ1.5m)で、竹と小型キャップを連結することにしました。

小型キャップは、一般工事の標識用キャップで、2枚を重ねて、補強しました。

 各オープンスリングベルトにはカラビナが付けられており、カラビナが小型キャップのズレを

防止するとともに、別のオープンスリングベルトでカラビナを結び(束ね)、搬器(中型搬器)に

連結されます。(その後、改良され、小型キャップが竹の頭からズレないように、オープンスリングベルトに固定金具を取付けました。取り外しも簡単です。)

 

 搬送試験結果は上々で、一度に6本の竹を運び、3時間半で110本(約5トン)を搬送しました。

8本の竹を運んでも問題はありませんでした。竹林内での作業性のため、竹の先端部は切り離し

ましたが、先端部も2本を一つのキャップに挿入し、同様の作業で搬送できました。

尚、搬送距離は50mです。

 

 この荷掛け方法は、幹径が20cm以下の細い木材を運ぶ場合にも有効と考えられ、細い木材を

効率良く大量に運ぶ手段となります。