三重県紀北町での搬出作業

 三重県牟婁郡紀北町は、紀伊長島で有名な観光地である。海岸線には風光明媚な島々が点在し、漁師街の居酒屋では地元産の魚料理が美味い。磯釣りでブリが釣れると言うから驚きである。しかし、平地が狭く、ちょっと車で奥に向うと急傾斜の山々が連なる。

 マッシュプーリー木材搬出システムを導入戴いた「きほく自伐林業倶楽部」では、森林環境整備とともに優良材の出荷を目的として活動を進めている。

 今回、導入初期であることもあり、幹径20cm程度、長さを2mにした材を搬出した。

 材は比較的軽いものの、平均斜面勾配は25度を超え、曲進1ヶ所(角度約20度)、搬出距離全長100m、特に、搬出出口は傾斜60度、高さ5m強の崖(2段)であり、難易度の高いものでした。5mの崖2段をそのまま下すため、基本マッシュプーリー2台を角材三脚に吊るして設置しました。

 搬送距離が長く、曲進用マッシュプーリー両端のメインロープも長くなるため、曲進用マッシュプーリーの動揺を抑えることに苦心しましたが、曲進用マッシュプーリーの上下滑車をロープで連結するとともに、空荷時の搬器の安定を保つため、間伐材で作った重りを搬器に付加しました。

 映像は、山側の搬出作業を終え、曲進用マッシュプーリー~麓側の材を搬出している場面です。映像に観るように、急傾斜でもエンジンブレーキが自動的に効き、心配された崖でも上手く材が下ろされています。