基本機材配置 その1(フルスペック仕様)
マッシュプーリー木材搬出システムは、主に「マッシュプーリー」「可逆駆動装置」「メインロープ」「搬器」「末端滑車」「ハンドウインチ、チルホール」「バネ秤」などから成ります。下は基本となる機材配置です。
曲進する場合には、「曲進用マッシュプーリー」でメインロープを横方向に引張り、メインロープを曲進させ
ます。材を片吊りするため、チルホールで与える張力は、350~400kgになります。
在現では、設置が簡単で機材購入費用も安い、次の「その2、マッシュキャップ仕様」を推奨しています。
よって、本ホームページの記載の内容は、主に、「その2、マッシュキャップ仕様」に関するものであることに、
ご注意ください。
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基本機材配置 その2(マッシュキャップ仕様)
マッシュプーリーを使わないと材の頭が上がらないため、着脱容易な専用キャップ(マッシュキャップ)を材の頭に付けます。最も単純な機材構成ですが、設置が簡単、機材購入費用も低減されます。
可逆駆動装置を利用しているので、次の利点は維持されます。
① キャップが自動返送される。
② 下げ荷をしてもエンジンブレーキで制動される。
③ 効率的な搬送スピードが維持される。
④ 直進のみの場合には小型搬器を用い、上側のメインロープからも揚力を得ることができる。
⑤ 小型搬器を中型搬器に取り換えれば曲進もでき、長距離搬送が可能になる。
この時、曲進用マッシュプーリーを利用する。
⑥ 材を片吊りする必要が無いため、チルホールで与える張力は、200kg程度になります。
⑦ 材を片吊りしないため、重い材の搬送が可能となります。
問題が発生すると考えられるのは、斜面を斜めに搬出する場合です。材が傾斜方向に転がり、ライン近傍の
立ち木に引掛ってしまいます。この場合には、間伐材を並べ、横流れ防止用のガイドレールを設置します。
マッシュキャップ仕様の方が利点が多いので、現在では、このシステムをお勧めしています。
尚、専用キャップの装着は、材の頭を簡単に上げる方法(映像マニュアル、8.重い木材へのロープ掛け、
参照)を用いると簡単です。Topics(キャップと可逆駆動装置のみによる搬出)に動画が掲載されています。
注)メインロープの高さは、地面から1.2m(~1.5m)程度に設置します。
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基本機材配置 その3(張力設定位置の変更)
メインロープを張るために、末端のチルホールで張力を与えますが、メインロープが漸次伸びるので、
チルホールの張力を随時与え直す必要があります。
このため、チルホールが山の上方に位置する場合、度々、斜面を登らなければならなくなってしまします。
これは大変な苦労なので、次の図のように、チルホールの位置を変更することが提案されます。
末端滑車とチルホールの間に別ロープ(黄色で示す)を加え、一般固定滑車で迂回させて、
チルホールの位置を、作業が楽な位置に変更します。下図では駆動装置のドライバ-が居る位置まで移動させて
いますが、山中の荷掛け作業員が居る位置まででも充分です。
一般固定滑車としては、おたふく滑車が推奨されます。
(変更距離が短い場合でも、おたふく滑車は、チルホールのワイヤーにも対応できます。)
尚、下図で、赤色線はメインロープ、青・緑色線はロープまたはスリングベルト、ワイヤー、黒丸●は立木です。
また、別ロープを迂回させることにより、ロープの内角となる領域が発生しますので、
注意が必要です(一般固定滑車周辺の内角域)。
注)メインロープが伸びることは、一見、不便なように思われますが、これにより安全が確保されています。
つまり、トラブルが発生して、メインロープに過度の張力が発生した場合、メインロープの全長が伸び、
駆動装置の駆動ドラムに巻付いているメインロープが緩むため、駆動ドラムが空回りして、メインロープの
牽引が自動的に停止します。
【 開発 】
有限会社 ラボコスタ 代表取締役 香取 完和
〒142-0053 東京都品川区中延2丁目9番2号北村ビル1階
Tel: (03) 5751-6821
E-Mail:katori@office.email.ne.jp
【 協力 】
株式会社リトル・トリー 代表取締役 大野 航輔
〒402-0200 山梨県南都留郡道志村岩瀬6889-2
Tel:(090)6111-0304
E-Mail:bobkosuke0325@icloud.com
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