動画マニュアル

マッシュプーリーの設置・操作方法について、動画でご紹介します。

1.  サブロープの掛け方

 マッシュプーリーを吊るすためにはサブロープを立ち木に掛ける必要があります。作業を簡単にする工夫をしていますが、最も大切なのは事前の準備です。機材だけでなく、掛ける立ち木を選定しておくのも大切です。

サブロープ群の間隔は10m程度が標準です。一つのサブロープ地点の作業を次の手順で行います。

① メインロープを挟んで両側にサブロープを掛けるための2本の立ち木を選定する。

 サブロープはメインロープと直行している必要はなく、交差角度が45度程度傾いていても、サブロープに吊る

 した金具がマッシュプーリーの方向をメインロープと平行な方向に自動的に向けます。

② 機材一式を地面上に並べる。

 一つのサブロープ地点で必要な機材は次のものです。

 1) マッシュプーリー 1台

 2) 一端にカラビナを付けたサブロープ 1本

 3) マッシュプーリー吊り金具(通称:カメレオン) 1個

 4) マッシュプーリー位置固定金具(通称:ブタ鼻) 1個

 5) ロープ末端位置固定金具(通称:涙くん)+ 金属リング + 短尺ロープ

 6) 金属リング + 短尺ロープ

 7) 立ち木保護具(通称:胴巻) 3個

 8) 金具付長尺棒

 注:2)、3)、4)は一体にしておく。

③ 一本の立ち木にラダーで登り(足場高1.5m)、3m地点に7)胴巻1個を巻き付ける

  (ツメは上向き)。

④ サブロープの端を胴巻に巻き付け、カラビナで固定する。

⑤ もう一方の立ち木に登り、胴巻1個を付ける(ツメは上向き)。

⑥ 金属リング+短尺を胴巻に巻く。サブロープの他端を金属リングに通す。

⑦ 胸高付近に3個目の胴巻を巻く(ツメは下向き)。5)を巻く。

⑧ 涙くんにサブロープの末端を通し、マッシュプーリー吊り金具の高さ、水平方向位置を調整する。

⑨ マッシュプーリーをマッシュプーリー吊り金具に引っ掛ける。

尚、ふたりで行うのが効率的で、地上のひとりは8)金具付長尺棒を使って、必要な器具を頭上の人に渡すことができます。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2.1   ロープの結合(その1)

 メインロープの結合は次のように行います。現場でもできます。次項2.2と組み合わせると、現場での結合時間が短縮されます。

① ロープの端をカッターで斜めに切る。切り口をターボライターで充分炙り、切り口を保護する。

② ロープの先端を60cm折り曲げて重複させ、先端に「輪っか」を作る。

③ ロープ重複部の間に厚手両面テープを貼る(画像には有りませんが、重複部が密着します)。

④ フィラメントテープを強く巻き、固定する(画像とは異なりますが、この方が丈夫です)。

⑤ テグス(30号)を充分強く巻き(往復)、固定する。

⑥ フィラメントテープを強く巻き、表面を保護する。

 

ここに示した結合方法(①~⑥)は作業時間を要するため、次項(2.2)に示す「Tenexロープによるメインロープの結合」を開発しました。現場での結合時間が、1結合5分以下(3分)と極めて短くなります。

 事前に、時間を掛けてメインロープ末端に「輪っか」を作ることがげきるので、「輪っか」の強度をさらに上げることもできます。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2.2   ロープの結合(その2)Tenexロープによるメインロープの結合

 前項(2.1)に示した結合には時間が掛かるため、作業時間が制約される現場で行うには不向きな面があります。そこで、前項(2.1)に従って、事前にメインロープの末端に「輪っか」を作っておき、現場では、メインロープ両端の「輪っか」を簡単に結合する方法を考案しました。

 「輪っか」の結合に用いるロープはどのようなものでも良いですが、柔軟性があり丈夫な、Tenexロープ(緑色、Φ6mm、破断強度1,500kg)がお勧めです。

 映像に観るように、Tenexロープ 長さ70cmを使い、5分以下(3分)でふたつの「輪っか」が結合されます。Tenexロープに結び目を作るので、緩みません。搬送時に張力を受けても、Tenexロープにバランス良く力が加わるため、結び目は固くならず、搬出作業終了後、結合を解除するには、結び目をほどき、結合を解除できます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3.  横採り

 メインロープのライン上にない材は搬送できません。ライン上にない材をライン上に移動させるのが「横採り」です。マッシュプーリーシステムの搬器を使って、次の手順で「横採り」します。

① ライン上の地面に、オーガー(穴掘り器具)をねじ込む。

② オーガーの支柱に固定滑車(A)を取り付ける。

③ 近隣の立木に固定滑車(B)を取り付ける。

④ 別途の牽引用ロープを固定滑車A,Bに通し、ロープの末端を搬器に固定する。

⑤ 搬器のウインチに、搬器を安定させるための重りとしての材(30kg程度)を吊るす。

⑥ 牽引用ロープの先端を横採りしたい材に固定する。

⑦ 駆動装置を始動し、「横採り」したい材をライン上に引き寄せる。

⑧ 以下、⑥、⑦の作業を繰返し、ライン上に材を集積する。

注)固定滑車Aがライン上にあるため、搬器はマッシュプーリーを通過できるので、

 牽引距離の制約は基本的には生じません。

 

尚、横採りは、「三角ハンドウインチ」を用いて行う方が簡単です。

Topicsの「2017/6/2 曲進用マッシュプーリーを用いた搬出」をご覧ください。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

4.  重い木材へのロープ掛け

 搬出する木材の重量が100kg程度を超えると、力のある男性でも、搬器のロープを木材に掛けるのが容易ではなくなります。つまり、搬器のロープを木材に掛けるには、木材の頭を持ち上げなければなりませんが、木材が重くなると木材の頭を持ち上げるのが大変になるのです。

 そこで、重い木材の頭を容易に持ち上げられる次の手順を提案します。

① 搬出したい木材の横に、半台形斜面を有する木製スペーサー(以下、頭上げスペーサーと      呼ぶ)を置く。

② 木材を挟んで頭上げスペーサーの反対側に、木製の逆転防止くさびを置く。

③ 昔から大工道具として使われている木材を回転させる器具(木回し)を用い、搬出したい      木材を頭上げ

  スペーサー方向に回転させる。「木回し」がない場合には、ただの棒で木材を      テコの原理で回転させても

  良い。

④ 逆転防止くさびを押し込みながら、搬出したい木材を頭上げスペーサーの上に載せる。これにより、搬出した

 い木材の頭が地面から安定して離れたので、木材の頭に搬器のロープを簡単に掛けることができます。この方法

 は、木材の頭にキャップ(マッシュキャップ)を付ける場合にも有効です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

5.木材の棚積み(棚積みスロープ)

 集材地点(土場)に充分なスペースが無い場合、集めた木材を棚積み(上に積み重ねる)必要が生じます。

山地内では平場が少なく、土場が狭いのが通例ですので、棚積みするのが一般的となります。

 棚積みの高さは1m~2mにも及ぶため、棚積みは大変な労働であるとともに、危険を伴う作業です。

このため、林内作業車やポータブルウインチを用いて棚積みを行う場合が多いようですが、林内作業車は侵入道の無い林内へ入ることができません(グラップル等の重機も同様です)。一方、ポータブルウインチは有効なものの、アンカーとなる立木が都合の良い位置にあるとは限らず、固定滑車を工夫・利用して、牽引用ロープの作用

位置を調整しなければなりません。

 そこで、「棚積みスロープ」と「三角ハンドウインチ」を用いた方法を提案します。

 

①木材の重さが100kg程度以下の場合

 1)木材を載せたい棚積み塊の端に「棚積みスロープ」2本を掛け、それぞれの基部に鉄杭を打ち込んで

  固定する。

 2)棚積みしたい木材をスロープの下端まで転がして運ぶ。

 3)木材の一端を、スロープを利用してトビで引き上げる。

 4)「棚積みスロープ」には50cm毎に穴が開けられているので、穴に鉄杭を差し込んで、木材を一端休ませる。

 5)木材の他端を、3)、4)と同様に引き上げる。

 6)上記、3)~5)を繰り返し、木材を棚上に載せる。

 7)棚上に載った木材は、棚上を転がすことができる。

 

②木材の重さが100kg程度を超える場合

 1)木材を載せたい棚積み塊の端に「棚積みスロープ」2本を掛け、それぞれの基部に鉄杭を打ち込んで

  固定する。

 2)スロープの地面側先端位置に、「頭上げスペーサー」2本を置く。

 3)棚積みしたい木材を転がして運び、「頭上げスペーサー」の上に載せる。

 4)木材が「頭上げスペーサー」上から転がり出ないよう、「逆転防止楔」を木材の下に挿入する。

 5)木材の両端それぞれに、「木材を引掛けるためのロープ」を巻く。

 6)棚積み塊の他端側に置かれた2台の「三角ハンドウインチ」から牽引ロープを引き出し、

  「木材を引掛けるためのロープ」の輪に、牽引ロープ先端のカラビナを付ける。

 7)木材の一端を、スロープを利用して「三角ハンドウインチ」で引き上げる。

 8)「棚積みスロープ」には50cm毎に穴が開けられているので、穴に鉄杭を差し込んで、木材を一端休ませる。

 9)木材の他端を、7)、8)と同様に引き上げる。

 10)上記、7)~9)を繰り返し、木材を棚上に載せる。

 11)棚上に載った木材は、棚上を転がすことができる。

 

 以上のようにして、安全で容易に棚積み作業を進めることができます。木材がさらに重い場合

(例えば200kg以上)でも、長い「棚積みスロープ」を製作して使用すれば、無理の無い作業ができます。

「三角ハンドウインチ」は作業員自らの体重がアンカーとなり、設置場所を選ばないので大変便利で、

しかも超低価格です。保管時には折りたたまれ、収納スペースを取りません。